2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病菌の線毛タンパクに局在する機能領域の同定と臨床応用への検討
Project/Area Number |
20592198
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森崎 市治郎 Osaka University, 歯学部附属病院, 教授 (30116115)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 茂久 大阪大学, 歯学部附属病院, 准教授 (00283797)
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70362689)
|
Keywords | 免疫 / 感染 / 炎症 |
Research Abstract |
最も有力な歯周病菌と考えられているPorphyromonas gingivalisは、宿主細胞への強力な付着・侵入能を有している。この性質は本菌の病原性発揮に重要な役割を果たしていると考えられている。近年、P. gingivalisが歯肉細胞へ侵入し、細胞内で細胞傷害性を発揮しながら、歯周病を慢性化させていると推測されている。臨床研究では、歯周病患者の歯肉細胞内から、常に歯周病原菌が検出されているが、歯周病菌がどうやって細胞内で生きながらえ、慢性炎症を進行させているかは不明である。 我々は既に、細胞内に侵入したP. gingivalisに対する細胞防御機構としてのオートファジーの関連性を見出している。本年は、P. gingivalisが宿主細胞に侵入した後の細胞内動態につき、更に検討を加えた。 その結果、エンドソームから細胞膜へのリサイクリングを制御するRabファミリーGTPaseが、P. gingivalisの細胞内動態に密接に関与していることが明らかとなった。P. gingivalisは、エンドサイトーシスによる細胞膜の陥入により細胞内に取り込まれ、その後一部の細胞内侵入菌は細胞外へ移送されることが示唆された。おそらくリサイクリング経路を介し、細胞膜へ移動していると考えられるが、更なる検証が必要である。 これまで、エンドサイトーシス経路が細胞内に侵入したP. gingivalisの主な経路だと考えられていたが、本年度の研究により、細胞内のP. gingivalisに対する細胞防御機構としてのリサイクリング経路の関与が示唆され、歯周病細菌に対する細胞応答の新たなメカニズムが示唆された。
|
Research Products
(3 results)