2010 Fiscal Year Annual Research Report
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20592204
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
木村 泰男 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30253686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
佛坂 由可 長崎大学, 病院, 講師 (10244089)
田代 茂樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20300882)
高木 幸則 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30295084)
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Keywords | FEN1 / 自己免疫疾患 / MRI / IQIマウス |
Research Abstract |
本年度は、自己免疫疾患のモデルマウスとしてIQIマウスを用いた。生体内での唾液腺(舌下腺と顎下腺)の微細変化とらえることを目的MRによる解析を行った。MRの撮像法は、細胞内に自由水の変化に敏感で早期の炎症変化をとられることに優れた撮像法である拡散強調撮像を用いた。また撮像後はIQIマウスの唾液腺を摘出し、各月齢ごとに病理組織像を正常マウスと比較検討した。 IQIマウスの唾液腺は、同じ月齢の正常マウスと比較して、唾液腺の腺細胞周囲に多数のリンパ球浸潤を認めた。ただ実質組織の破壊像はみられなかった。 生きたIQIマウスと正常マウスにおいて、MRを用いて唾液腺の拡散強調撮像を行った。みかけの拡散強調係数(ADC)においてIQIマウスと正常マウスとを比較した結果、有為差を認めず、唾液腺に顕著な炎症の存在は指摘できなかった。 T24培養細胞においてFEN1をsiRNAで発現抑制した場合これらの細胞は老化を示す形態学的特徴を有していた。炎症をともなったT24細胞においては、テロメアに結合しているFEN1が消失し、これに合わせてH2AXのリン酸ならびにそれに伴ってDNA損傷修復反応が惹起されていることを確認した。またマウス個体においてFEN1の活性を抑えることで一部の臓器での老化が進むことを確かめている。 これらのことから推察して、シェーグレン症候群等の自己免疫疾患においては、通常よりも老化が進んだ状態になっていると考えられる。
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