2010 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼筋の生理・生化学的特性の画像化によるプラキシズム性状評価システムの構築
Project/Area Number |
20592216
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
湯浅 賢治 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (40136510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 竜資 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50215612)
小川 和久 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (90105726)
三輪 邦宏 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10136509)
瀬々 良介 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (70196989)
市原 隆洋 福岡歯科大学, 医科歯科総合病院・放射線室, 診療放射線技師 (80399196)
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Keywords | MRI / 拡散強調画像 / 拡散テンソル画像 / 咬筋 |
Research Abstract |
MRI拡散強調画像および拡散テンソル画像は、筋肉収縮の変化を評価できると言われている。本研究では、咬筋の安静時、開口時、閉口時のMRI拡散テンソル画像を用いて、水拡散に変化があるかどうかの分析を行った。対象は健常成人11名(男性8名、女性3名)であり、平均年齢は40.2±9.5歳であった。 1.5TにMRI装置を用い、拡散テンソル画像およびTHROVE画像の撮像を行った。咬筋安静時、開口時に撮像を行った5分後に閉口時の撮像を行った。画像解析は、b0画像上の咬筋の三カ所(上方部、中央部、下方部)にROIを設定し、5つのパラメータ(みかけの拡散係数:ADC、fractional anisotropy : FA、第1ベクトル値:λ1、第2ベクトル値:λ2、第3ベクトル値:λ3)の分析を行った。 結果は以下の通りであった。1)安静時には咬筋上方のADCは有意に下方のADCより低かったが、咬筋下方のFAは有意に上方のFAより低かった。2)開口により、咬筋上方および中央部のADCは有意に低下し、FAは増加した。λ1とλ2は有意に低下した。これは、筋線維の径の減少によるものと考えられた。3)咬筋下方部においてはパラメータに開口の影響はなかった。4)閉口により、咬筋下方および中央部のADCが有意に低下した。上方のλ1を除いて、λ1とλ2は増加し、λ2の増加が最も大きかった。閉口により筋肉の変形によるλ1とλ2の増加と考えられる。以上の結果より、λ2は閉口によって増加し、λ3は開口によって低下することが示唆された。しかし、この事は咬筋の上方部および中央部に限られており、咬筋の浅層、深層の筋線維の活動能力に差があることによるのかもしれない。
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