2011 Fiscal Year Annual Research Report
溶媒の残存による1ステップ型接着システムの劣化に関する総合的研究
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20592218
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 考績 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90222885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 哲 北海道大学, 大学病院, 講師 (80184745)
田中 享 北海道大学, 大学病院, 講師 (90179771)
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Keywords | 1ステップ型接着システム / 溶媒 / 劣化 / 耐久性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、1ステップ型接着システムの溶媒の除去率を変化させ、負荷を加えた後、微小引張り試験、接着界面の超微細構造の観察、修復物周囲の脱灰度の定量、ボンディング層の変色の評価を行うことにより、1ステップ型接着システムの劣化を総合的に評価することである。 平成23年度は、HEMAを含有する1ステップ型接着システム(Easy Bond)とHEMAを含有しない1ステップ型接着システム(G Bond plus)そして2-step self-etch system (Mega Bond, Mega Bond FA)の接着試料を作製し、水中浸漬 24時間、3,6,12ヶ月の負荷を加えて引張り接着強さを評価した。その結果、HEMAを含有する1ステップ型接着システムでは、経時的に有意な接着力の低下が認められた。これは、HEMAを含有するがために、接着界面の親水性が高く、水による劣化が著しかったためと推測される。HEMAを含有しない1ステップ型接着システムでは、水中浸漬12ヶ月で初めて有意な接着力の低下が観察された。これは、HEMAを含有しないため、接着界面が疎水性であり、水による劣化が小さかったと推測される。2-step self-etch systemでは、有意な接着強さの低下を認めなかった。これは、プライマー使用後に疎水性のボンデイング剤を使用することにより、安定した接着界面が形成されたためと考えられる。 水中浸漬後のボンデイング層の変色試験に関しては、JISの試験規格では、60度の水中浸漬後の測定が推奨されているが、口腔内温度での変色との関係が不明なために、現在アレニウス加速試験による予備実験を企画中である。 次年度以降では、24か月の水中浸漬による、接着強さの評価を行う。さらに予備実験により得られた条件下における、ボンデイング層の劣化試験を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特にボンディング剤の変色試験では、既存の評価法では歯科臨床における変色との整合性を得ることが困難と思われたため、工業界における信頼性分析の手法を導入した新しい評価法を確立するべく検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
接着性能の試験においては、本年度までの結果を踏襲して、さらに長期における負荷試験を継続する。ボンディング剤の変色試験では、既存の評価法では歯科臨床における変色との整合性を得ることが困難と思われるため、工業界における信頼性分析の手法を導入した新しい評価法を確立するべく検討中である。具体的には、既存の60℃温湯中での浸漬に加えて、50、40℃における変色についても評価する。データーをアレニウス加速試験の手法で分析し、口腔内温度を想定した37℃における長期間経過後の変色を推定する。
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Research Products
(1 results)