2009 Fiscal Year Annual Research Report
根尖性歯周炎の発症・拡大におけるIL-10の機能的役割
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20592222
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 規元 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 助教 (20372451)
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Keywords | 根尖性歯周炎 / IL-10 / Th1サイトカイン |
Research Abstract |
根尖性歯周炎では生体防御反応として様々な炎症・免疫反応が局所的に営まれていることが知られているが、本疾患の成立および拡大には様々な因子が関与していると考えられ、その詳細は未だ不明な点が多い。今回の実験では、根尖周囲の炎症の拡大に大きな役割を果たしていると考えられるIL-10に注目し、ノックアウトマウス用いることにより、根尖性歯周炎における骨吸収および炎症の拡大に対するIL-10およびTh1サイトカインの機能的役割を解明することを目的とした。今年度は、昨年度行ったマイクロCTによる骨吸収の結果を踏まえて、根尖性歯周炎における炎症性サイトカインの発現を検索した。実験には、6~8週齢のIL-10^<-/->,IL-12^<-/->,T cell^<-/->(TCRβ/TCRδ),IL-12/IL-10^<-/->,T cell/IL-10^<-/->,C57BL/6(wild-type)マウスを用いた。下顎第一臼歯をラウンドバーにて露髄後、抜髄し、4種の細菌混合液を根管内に播種した。21日後に屠殺して下顎骨を摘出し、根尖周囲の病変部を周囲の骨とともに一塊として摘出し、タンパク抽出後、起炎症性サイトカイン(IL-1α,TNFα,IL-6)およびTh1サイトカイン(IFNγ,IL-12)の発現量をELISAにて測定した。T cell/IL-10^<-/->マウスにおいては、IL-10^<-/->マウスと比較し、根尖病変内のIL-1α,TNFαの発現量が有意に減少していた。すなわち、IL-10^<-/->マウスにおいては、炎症の拡大にT細胞性免疫が深く関与していることが示唆された。さらに、IL-12/IL-10^<-/->マウスにおいても同様の所見が観察されたことから、IL-10が制御しているターゲットは、IL-12を介するT細胞性免疫応答であると推察された。なお、T cell/IL-10^<-/->マウスおよびIL-12/IL-10^<-/->マウスにおいて、IFNγの発現はIL-10^<-/->マウスと比較して有意に減少していた。昨年度の結果と合わせ、IL-10ノックアウトマウスにおいて、IL-12依存性のT細胞性免疫が、根尖性歯周炎における炎症性骨吸収の亢進を誘発している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)