2008 Fiscal Year Annual Research Report
Sr‐CaPO4複合体を応用した自己修復能を有する接着システムの開発
Project/Area Number |
20592227
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白井 憲一 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20325179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 曉輝 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20432693)
西村 英紀 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80208222)
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Keywords | Sr / XPS / CaPO4 / 象牙質再石灰化 / 接着システム |
Research Abstract |
コンポジットレジンは臨床家、基礎研究者および製造業者の連携により目覚しい進歩を遂げてきた。しかし、コンポジットレジン修復では、宿命的なレジンの重合収縮により、窩壁とレジンの間にコントラクションギャップが生じ、特に光重合型レジンでは重合収縮の方向性から窩底部においてギャップが発生する傾向がある。これらに対する解決策の一つとしてより強力な歯質に対する接着材が開発され、一応の成果を挙げている。しかしながら、その場合、重合収縮時の応力が辺縁のエナメル質に働いて、微小な亀裂を生じ、場合によってはレジンが破折することが指摘されている。故に本研究では、このコントラクションギャップを再石灰化象牙質で修復することを目的とし、ストロンチウム・カルシムリン酸塩粉体を添加した新規接着システムの開発を行った。 今年度はストロンチウムイオンが象牙質再石化に深く関与していることおよびカルシウムリン酸塩(Ca-PO_4)はHydroxyapatite: Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2へ転換する先駆体であることに注目し、両者の複合体を作製した。X線光電子分光分析装置(XPS)を用い化学的に分析、さらに示差熱分析計(DTA)により、脱水,転移,燃焼,再結晶等を検討した結果、最適なストロンチウム・カルシウムリン酸塩複合体は5.4〜8.3mg/l(最終的に接着システムに添加するため)であった。 次年度は機能性モノマー、アセトン、エタノールおよび水等の組み合わせを検討し、上記の最適濃度に調整し歯髄細胞との関係を検討していく予定である。
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