2010 Fiscal Year Annual Research Report
再修復の意思決定に関わる要因の探索的研究と支援モデルの構築
Project/Area Number |
20592230
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
久保 至誠 長崎大学, 大学病院, 准教授 (80145268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 剛 長崎大学, 環境科学部, 教授 (80039586)
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Keywords | 再修復 / 判定基準 / 意思決定 / アンケート調査研究 / モニタリング / 教育効果 / 学習効果 |
Research Abstract |
コンポジットレジン修復の長期臨床成績に関するレビューを学術雑誌(JDSR,47,43-55,2011)に発表した。また、コンポジットレジン修復の臨床成績に及ぼす各種要因に関する研究成果を国際学会(88^<th>IADR,#2993,Barcelona,2010)で発表し、これをまとめた論文の学術雑誌(Dent Mater J)への掲載が認められた。さらに、接着システムに関するランダム化比較試験の成果(5年間)を国際学会(89^<th>IADR,#1144,San Diego,2011)で発表した。 一方、う蝕の進行程度に基づいた修復時期、う蝕への対処法、修復物に関連する問題点への対処法に関するアンケート調査の結果を第133回日本歯科保存学会学術大会で発表し、第134回では意思決定に及ぼす生涯学習、臨床経験、問題点の種類と程度の影響について報告予定である。 長崎大学歯学部同窓会会員の各卒業期から250名を無作為に抽出し、意思決定に影響を及ぼすと想定した資料を事前に配布した後、前年度と同じアンケート調査を行い、以下の仮説について検証した。仮説1:生涯学習は意思決定に影響を及ぼす。仮説2:問題点の種類、部位は修復治療の意思決定や再修復の判定に影響を及ぼす。仮説3:問題点の程度は意思決定に影響を及ぼす。データ(回収率45%)解析をロジスティック回帰分析で行った結果、部位(歯頂側エナメル質か歯肉側象牙質)に関係なく、辺縁着色の程度が進むに従って修復による対応が増加した。同程度の着色の場合、修復による対処が象牙質において有意に多かった。さらに、う蝕に対する修復の意思決定と辺縁着色における再修復の判定基準との間に関連性が認められた。また、臨床経験や患者数などの要因が複雑に関与していることも明らかになった。期待したような生涯学習の効果は見られなかったが、歯科臨床研修医と臨床実習生を対象として行った同様の調査から、臨床実習と卒直後の教育の影響が大きいことが判明した。
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Research Products
(6 results)