2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄・象牙質複合体再生のためのスポンジ状担体の開発と担体内骨形成促進因子
Project/Area Number |
20592246
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
好川 正孝 Osaka Dental University, 歯学部, 講師 (70148451)
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Keywords | 組織工学 / 硬組織再生 / 骨髄幹細胞 / デキストラン / 担体 / スポンジ / ハイドロキシアパタイト / ヒアルロン酸 |
Research Abstract |
歯髄・象牙質複合体の再生にとって硬組織形成の促進とその硬度の向上を目指さなければならない。そのために、in vitroでの骨髄幹細胞培養による硬組織形成促進と歯髄・象牙質複合体の再生に寄与する新たな培養補助剤を見出す必要がある。また、歯としての全体の再生とともに、歯の一部の再生も重要な課題である。そのために、易形成性のスポンジを担体として用いて実験を行った。 骨髄幹細胞の分化と骨形成促進のための培養補助化学物質として、ヒアルロン酸、ラミニン、デキストランそしてリシンについて、in vitroおよびin vivoで骨髄幹細胞による骨形成促進を検討した。その結果、ヒアルロン酸、ラミニンおよびデキストランはデキサメタゾンとの併用によって有意に培養器に多くの量の石灰化物が形成された。また、これらで処理した多孔質ハイドロキシアパタイト担体に骨髄幹細胞を播種して皮下埋入したin vivoの実験で組織学的に多数の気孔での骨形成が認められ、骨形成の増加が免疫化学的にも再確認された。 本研究ではさらにポリビニルホルマールスポンジを用いて、このスポンジにおける骨髄幹細胞による硬組織形成を検討したが、スポンジの線維構造あるいはその化学的性状から骨髄幹細胞の付着が不可能であることが示唆される結果を得た。そこで、このスポンジにデキストランをコーティングして骨髄幹細胞を播種してin vitroおよびin vivoでの硬組織形成試験を行ったところ、有意に多くの硬組織形成が認められた。スポンジを担体としてその中に骨を形成することによって多くの部位における骨欠損に対応が可能になり、スポンジ内へのさらなる緻密な硬組織形成の誘導を図る必要がある。 このような結果を国内外の学会で発表し、いくつかのJournalに投稿した。
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Research Products
(4 results)