2010 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄・象牙質複合体再生のためのスポンジ状担体の開発と担体内骨形成促進因子
Project/Area Number |
20592246
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
好川 正孝 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70148451)
|
Keywords | ハイドロキシアパタイト / アルギン酸 / ゼラチン / ポリビニルアルコール / セルロース / スポンジ担体 / 硬組織再生 / 骨髄細胞 |
Research Abstract |
硬組織とくに、立体構造である象牙質再生のためには担体が必須で、セラミックスすなわち多孔質ハイドロキシアパタイトとともに、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルアルコール、あるいは、セルロースを素材とするスポンジを担体として使用する可能性を検討した。 多孔質ハイドロキシアパタイトは、直径8mm、高さ10mmで、内径4mmあるいは2mmの中空部を有する円筒状で気孔内への骨形成を検討して4mmの中空部は栄養を供給して気孔内骨形成に積極的に関与することが確認された。 アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルアルコール、あるいは、セルロースを素材とするスポンジを担体としてin vitroおよびin vivoで骨髄幹細胞による骨形成促進の可能性を検討した。その結果、in vitroでアルギン酸、あるいは、セルローススポンジは有意に多くの量の石灰化物の形成を認めた。また、in vivoの実験でアルギン酸、あるいは、セルローススポンジには組織学的に多数の気孔での骨形成が観察され、オステオカルシン量を免疫化学的に測定した結果からも、骨形成が有意に確認された。 昨年度には、4mmの中空部を有する多孔質ハイドロキシアパタイト、アルギン酸、あるいは、セルローススポンジ骨形成を効果的に促進する機能を持つ担体素材であることが確認できた。骨あるいは硬組織の速やかな形成が求められる臨床への応用に近づく足掛かりになるものである。 さらに、担体内骨形成には1×10^7個/mL濃度の細胞浮遊液で細胞を播種した。これらには、ヒアルロン酸、ラミニンあるいはデキストランが骨形成のために有効な補助剤である可能性が認められ、これらを幹細胞分化促進因子として併用する必要性が示唆される結果が得られた。
|
Research Products
(7 results)