2008 Fiscal Year Annual Research Report
生体活性ガラス添加試作リン酸カルシウムセメントの歯内治療への応用
Project/Area Number |
20592248
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
泉 利雄 Fukuoka Dental College, 歯学部, 准教授 (40248547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿南 壽 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80158732)
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Keywords | リン酸カルシウムセメント / Bioactive glass / 覆髄材 |
Research Abstract |
1. 試作リン酸カルシウムセメント(以下CPC)の作成と生体親和性の検討 CPCを蒸留水で練和する代わりにPhosphate buffered saline(以下PBS)で練和すると、硬化体の機械的強度が増加することが明らかになった。Bioactive glass(以下BAG):CPCを3:7(重量%)で混ぜた物をPBSで練和したものを試作CPCとして使用することにした。SD系7週齢ラットの皮下に試作CPC・BAG・CPCを包埋し、4週後に通法に従ってパラフィン切片標本を作製し、組織反応を検索した。その結果、試作CPC、BAG、CPCのいずれにおいても試料周囲は線維化され僅かに慢性の炎症性細胞浸潤を認めるのみであった。以上から、試作CPCはBAGやCPCと同じく優れた生体親和性を持つ可能性が示唆された。 2. 試作CPCの直接覆髄材としての応用 SD系7週齢ラットの上顎左右第一臼歯近心根の根管口で歯髄を切断し、試作CPCで覆髄を行った。対照は水酸化カルシウム製剤(カルビタール)とした。覆髄処置後3週でパラフィン切片標本を作製し治癒状態を検索したところ、試作CPCは対照群をほぼ同じdentin bridge形成頻度を示した。水酸化カルシウム製剤では硬組織直下に壊死層の形成が認められたのに対し、試作CPCでは明らかな壊死層の出現は認められなかった。dentin bridge形成量は対照と比較して有意差は認められなかった。以上から試作CPCは覆髄材として有効であると考える。現在、MΦ系細胞の動態をED1、ED2抗体を用いて検索中である。
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