2010 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起超両親媒性チタン表面における生体分子および細胞の接着挙動のリアルタイム分析
Project/Area Number |
20592253
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大畑 昇 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60002185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
會田 英紀 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (10301011)
上田 康夫 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (30241342)
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Keywords | バイオマテリアル / チタン / タンパク吸着 / 細胞接着 |
Research Abstract |
われわれはこれまでに光誘起超両親媒性チタン表面の優れた骨伝導能について報告してきたが、チタン表面と生体分子や細胞との相互作用についてはいまだに不明な点が多い。本研究の目的は、生体分子間相互作用定量測定装置を用いて光誘起超両親媒性チタン表面における生体分子の吸着挙動および細胞の接着挙動をリアルタイムで分析を行うことであり、バイオマテリアル-組織界面で起こる生体分子や細胞のダイナミクスを解明することを目指す。 これまで水晶振動子センサー表面への生体分子の吸着挙動の横断的解析ならびにリアルタイム解析を行ってきたので、最終年度はセンサー表面への細胞の初期接着挙動をリアルタイムで分析することを到達目標とした。 1.水晶振動子センサーの表面解析 生体分子間相互作用定量測定装置の水晶振動子センサーは月的に応じてセンサー表面を薄膜コーティングすることにより表面修飾することができる。これまでにも、チタンコートセンサー表面に対してSEMとAFMによる表面のトポロジー解析、XPSによる表面元素分析、XRDによる結晶構造解析を行ってきた。今年度はさらにセンサー表面の水酸基を無水トリフルオロ酢酸で誘導化し、定量することを試みた。 2.チタン表面へのラット骨髄由来間葉系幹細胞の接着挙動のリアルタイム分析 オッセオインテグレーションの成立にはチタン表面での骨新生が重要な役割を果たす。そこで間葉系幹細胞のチタン表面への初期接着に着目し、初期細胞接着挙動のリアルタイム分析を行った。その結果、紫外線処理をしていないチタンコートセンサー表面と比べて、紫外線処理をしたセンサー表面では播種後初期の細胞接着スピードと総接着細胞数がそれぞれ3.8倍、1.7倍と増加する傾向が示された。今後さらにセンサー周囲の溶液のpHや成分イオンを変えた際の吸着挙動の変化を調べることを目指していく予定である。
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Research Products
(2 results)