Research Abstract |
本研究は, パウダーフローポリッシング(PFP)法を応用し, 水を全く使わない歯面清掃, また噴射ではなく吸引という新しい発想から, 従来のブラッシングに変わりうる新たな歯面清掃システムを開発することを目的とする. 今年度は, in vitroでのPFP法の至適条件の詳細な検討を行った. PFP装置は, 流路内を流れる搬送ガスと, 研磨粒子との高速固気2流層を基板表面に接触させ, 基板表面の除去加工を行う原理とした. 被検試料として, 硬質レジンにて作成した基板上に, 人工プラークを均質になるように塗布したものを使用した. 流路の間隙を0.3mm, 0.5mm, 1.0mmで検討したところ, 間隙0.3mmで最も人工プラークが除去されており, 平均除去率は85.11±8.85%であった. 一方, 1.0mmではもっとも除去率が低く, 17.96±8.89%であった. また, セルロース研磨粒子の供給量を0.3g, 0.5g, 0.7g, 1.0g, 1.5g, 2.0gと変化させて検討したところ, 0.3gと0.5gでは, 1.0g, 2.0gよりも有意に低い値を示した. すなわち, 人工プラーク除去効果は, 研磨粒子の供給量が多いほど高い傾向を示すことが明らかになった. 吸引時間は, 10秒に比較して, 40秒, 60秒では有意に高い値を示した. つまり, 人工プラーク除去効果は吸引時間に伴い向上することが示された. 今後, さらなるPFP法の至適条件の検討を重ね, 実際に被験者に対して臨床試験を行い, invivoでの指摘条件を探っていき, 口腔内への応用を行っていく必要があるが, 基礎的データの取得を行うことに成功した.
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