2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉貫通部の防御機能を向上させる新たなデンタルインプラント表面の構築
Project/Area Number |
20592258
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
富塚 健 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (80251297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂呂 徹 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20302698)
魚島 勝美 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50213400)
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Keywords | インプラント / MPCポリマー / 上皮付着 |
Research Abstract |
リン脂質極性基を有するMPC(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)を成分とするポリマー(以下MPCポリマー、とする)を材料の表面にコーティングすることにより細胞やタンパク質の接着、吸着を抑制する効果が発揮されることが明らかになっている。これによって、医療用デバイスの生体適合性、血液適合性を飛躍的に改善させることが可能である。インプラント体への細胞接着性を制御して、より長期にかつ確実にインプラントを生体内で機能させることを目的として、MPCポリマーのインプラント体への応用の可能性を検討する。今年度はまずチタン表面への細胞接着を阻害するために必要な最低のMPCポリマーの種類、濃度の検討を行った。まず、マウス未分化間葉系幹細胞株C3H10T1/2にレトロウイルスベクターを用いてGFP遺伝子を導入し、安定してGFP傾向を発現する細胞株を作成した。この細胞を6well plateに播種し(105 cells/well)、1日後に種々のMPCポリマー共重合体(PMB、PMD、PMS)をコーティングしたチタンプレートおよび未処理のチタンプレートを細胞上に置き、チタン表面への細胞接着の状態を1日から14日間経時的に観察した。その結果、PMB、PMSは同等に細胞接着を阻害すること、PMDは細胞接着の阻害効果が低いことが判明した。ただし、チタンプレートの表面の研磨状態などにより、細胞が接着する様子も観察されたため、既に製品として販売されているインプラント体の素材と同じチタン合金のプレートを用いることとし、ポリマーはPMBを採用して同様の実験を行った。その結果、チタン合金への細胞接着阻害効果が認められた。
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