2008 Fiscal Year Annual Research Report
オールセラミックレストレーションに最適な多機能調和型ナノ複合セラミックスの開発
Project/Area Number |
20592262
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 隆志 Osaka University, 大学院・歯科研究科, 准教授 (20198211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 一道 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任講師 (50432547)
関野 徹 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20226658)
荘村 泰治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10154692)
矢谷 博文 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80174530)
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Keywords | セラミックス / ジルコニア / アルミナ / ナノコンポジット / 強度 / 破壊靭性 / 硬度 / 加速試験 |
Research Abstract |
オールセラミックレストレーションでは、金属に代わる高強度のフレーム材料が必要である。そこで、まずセラミックスとしては極めて高い強度をもつジルコニア系の材料について検討を行った。イットリア系の部分安定化ジルコニアおよびセリア系ジルコニア/アルミナ・ナノ複合材料の基本的な物性を測定した。両者を1400℃から1500℃で焼結して製作した試料の曲げ強度、硬度および破壊靭性値を求めた。その結果、1450℃以上の温度で焼結させた試料では、1000MPa以上の高い曲げ強度と10MPa・m1/2以上の破壊靭性値が得られたが、焼結温度が低いと物性が下がることが示された。今回の実験結果から、ジルコニアやジルコニア系の複合材料が、優れた物性を示すことが明らかとなったが、実際の口腔内で長期間使用した際には、ジルコニア特有の低温劣化が生じて、物性が低下する可能性がある。そこで、このような劣化を防ぐためにジルコニアの結晶間にシリカを含有させた新しい材料と従来型のイットリア系ジルコニアを使用して、加速試験を行う予定である。また、オールセラミックレストレーションではジルコニア系の高強度フレーム上に歯冠色の陶材を築盛して色調を再現する。臨床では、ジルコニアフレームと歯冠色陶材の間の焼付強度が問題となる。そこで、ジルコニア表面の処理条件を変化させて焼付強度を検討した。その結果、ジルコニア表面をサンドブラスト処理するのが有効であることが明らかとなった。この焼付強度についても加速試験を行い、その耐久性について検討を加える予定である。
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Research Products
(2 results)