2010 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント/生体組織界面のナノレベル解析法の確立
Project/Area Number |
20592266
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白井 肇 岡山大学, 病院, 講師 (00263591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥井 康弘 岡山大学, 病院, 教授 (10188831)
皆木 省吾 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80190693)
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Keywords | インプラント / 界面 |
Research Abstract |
インプラント/生体組織界面におけるナノレベルの結合様式については、未だ全く明らかになっておらず、そのことがインプラントの研究開発の障害となっている。超高倍率での観察に最も有効な透過電子顕微鏡(TEM)においても、従来の生物学的な試料作製法では、インプラントと骨が剥離するため、電子顕微鏡レベルでのインプラント/生体組織界面の観察は極めて困難であった。本研究の目的は、インプラント/生体組織界面を、破壊しないまま観察可能な超薄切片を作製する技法を確立することである。 平成22年度は、平成21年度に行ったラットの各左足(けい骨)に表面処理を施したインプラント体を埋入する動物実験によって得られた標本を、通法に従ってTEM観察用に固定、包埋し、超薄切片作製法のための試料を作製した。試料作製には、平成21年度までに確立した試料作製法を用いた。すなわち、アルゴンイオンビームとイオンビームの遮蔽板を用い、試料の断面を無歪でイオン研磨できる日本電子製クロスセクションポリッシャ(SM-09020CP、日本電子)を用い、作製した断面観察試料をFE-SEM(JSM-6701F、日本電子)下で観察した。その後、観察部位を特定した上で、工学分野の試料作製先端技術であるFocused Ion Beam(FIB)による試料作製を行い、TEMにてインプラント/生体組織界面の観察を行った。 本研究の結果、アルゴンイオンによるイオン研磨法とFocused Ion Beam(FIB)による試料作製法との組み合わせによって、目的とする観察部位を特定した上で、TEM観察レベルでのインプラント/生体組織界面を、破壊しないまま観察することが可能となった。 本手技を用いれば、従来の熟練を要する機械研磨による方法に比較して、簡便に試料作製ができ、効率的に高分解能観察を行うことが可能であると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 高分解能走査電子顕微鏡によるインプラント/生体組織界面の観察2010
Author(s)
白井肇, 武田宏明, 長岡紀幸, 吉田靖弘, 坂本隼一, 原哲也, 河野隆幸, 鈴木康司, 皆木省吾, 鈴木一臣, 鳥井康弘
Organizer
第31回岡山歯学会総会・学術大会
Place of Presentation
岡山大学歯学部 第一講義室
Year and Date
2010-09-26