2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規間葉系幹細胞のヒト幼弱智歯歯胚からの分離と象牙質再生への応用
Project/Area Number |
20592267
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
完山 学 岡山大学, 病院, 講師 (90294420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00225195)
園山 亘 岡山大学, 病院, 助教 (40325121)
片岡 健 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10293317)
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Keywords | 上皮間葉相互作用 / 象牙質再生 / 人工歯根 |
Research Abstract |
【抜去歯からの細胞の分離・培養と,その基礎的性質の検討】 昨年度は,ボランティアより得た抜去歯(9~11歳)の組織切片を作製し,amelogenin遺伝子の発現を確認するためin situ hybridizationを試みた.ヒトamelogeninのcDNAをテンプレートとして,DIG-RNA Labeling kitを用いてジゴキシゲニン-11-dUTP標識cRNAプローブ(センスならびにアンチセンス)を作製した。今年度は,hybridization温度やプローブ濃度の条件設定を確立し,ヒト抜去歯胚におけるamelogenin遺伝子の発現を明らかにすることを試みたが,上皮細胞に特異的な発現を確認するに至らなかった。そこで,エナメル上皮細胞のもう一つのマーカーであるameloblastinの抗ヒトameloblastin抗体を用いた免疫組織化学染色を行ったところ,ameloblastinは上皮と思われる組織に局在していることが認認できた. 【上皮間葉相互作用の検討】 細胞同士のコンタクトはない状態で液性因子のみが通過できるチャンバーを用いた分離共培養法と,細胞のコンタクトのある状態の混合共培養法を行い,ヒトamelogenin遺伝子の発現を比較検討した.その結果,混合共培養モデルにおいては単独培養と比較してamelogeninの発現に有意な差が認められた.しかし,コンタクトがない分離共培養法では,上皮細胞単独で培養したものとamelogenin遺伝子の発現に有意な差は認められなかった.これらの結果から,上皮間葉相互作用において,液性因子のやりとりのみでその相互作用が生じるのではなく,上両細胞間のコンタクトが上皮間葉相互作用に非常に重要であることが明らかとなった.
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