2010 Fiscal Year Annual Research Report
上顎無歯顎者への低侵襲インプラント治療のための生体力学的プロトコールの確立
Project/Area Number |
20592272
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松下 恭之 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准教授 (60159150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古谷野 潔 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50195872)
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Keywords | インプラント / 低侵襲 / 生体力学 |
Research Abstract |
上顎骨を解剖学的、骨質的にシミュレートした模型上で作製したインプラントオーバーデンチャーについて、インプラントに生じたひずみと義歯の変位を実測し、アタッチメントによるインプラントの連結の影響を検討することを目的とした。 上顎無歯顎模型の両側犬歯部に直径3.75mm、長さ13mmのインプラントを、両側第二小臼歯部に直径3.75mm、長さ8.5mmのインプラントを、計4本植立した。シリコーンラバー印象材にて疑似粘膜を作製し、その模型上で全部床義歯を作製した。インプラントを連結するアタッチメントとしてバーアタッチメント、連結しないアタッチメントとしてボールアタッチメントを用いた。右側犬歯部、右側第二小臼歯部のインプラントに締結したアタッチメントの近遠心、頬舌側の4箇所にひずみゲージを貼付した。全部床義歯の前歯部、右側第一小臼歯部、右側第一大臼歯部の3点に、それぞれ50Nの垂直荷重を負荷した。アタッチメントに生じたひずみを測定し、得られたひずみデータからインプラント軸方向の力と曲げモーメントを算出した。また、左側第一大臼歯部に取り付けたセンサーにて、義歯の変位量を測定した。それぞれの試験を5回ずつ行った。 前歯部に荷重を負荷した場合、バーアタッチメント、ボールアタッチメントとも比較的大きな曲げモーメントが生じ、義歯の変位量はバーアタッチメントでより大きくなった。第一小臼歯部に荷重を負荷した場合は、前歯部荷重時と比べて軸方向での負担が大きくなった。どちらのアタッチメントにおいても、前歯部荷重時に曲げモーメントが最大となり、義歯の変位も最大となったことから、インプラントへの荷重負担の観点からも、前歯部での咬合接触は避けたほうが良いことが示された。
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Research Products
(2 results)