2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の摂食・嚥下機能改善訓練用補助装置のデザイニング
Project/Area Number |
20592274
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 哲也 Iwate Medical University, 歯学部, 教授 (60179231)
|
Keywords | 高齢者 / PAP / 摂食・嚥下機能 / 舌圧 / 嚥下内視鏡検査 |
Research Abstract |
今年度は計測システムの確立を主目的とし、実験用PAPを用いて以下の2項目について測定を行った。1.基準となる舌圧の発現状態の観察:健常有歯顎者5名を対象に口蓋の5カ所に測定点を有するシート型センサ(スワロースキャン)による舌圧測定を行った。被験食品はプリン10g,水10mlとし,実験者の指示によって嚥下させた。得られたデータから各チャンネルにおける舌圧データ(初期接触時間,持続時間,最大舌圧,舌圧積分値)を求め,被験食品の違いによる変化について検討を行った。食品性状に関わらず,舌圧は正中前方部から発現し,側方部,後方部と続いて観察され,持続時間は正中前方部で有意に長かった。最大舌圧は,すべてのチャンネルにおいて,水に比べプリン嚥下時で,有意に増大した。舌圧積分値は,正中前方部において,プリン嚥下時に増大する傾向が観察された。左右差は特に認められなかった。 2.嚥下内視鏡(VE)による観察:鼻咽喉ファイバースコープを舌根部と咽頭部が見える位置で固定した.VEを行いながら,2種類の被験食品(白色・緑色の2色米飯,白色・緑色の2色ういろう各12g)を咀嚼回数を変化させ嚥下を指示した,得られた映像よりホワイトアウトを基準に3つの画像を取り出した。白色・緑色2色の被験食品を同時に咀嚼し,嚥下する直前の咽頭内の食塊の2色の混和程度(画像で映し出された食塊全体中の白色以外の色の割合)を食塊混合度(食塊中の白色部分以外の面積÷食塊の全面積×100)とし,補正後の画像から計測した.両試験食品ともに咀嚼回数が増えるにつれて,食塊混合度が増加する傾向が見られたがういろうの方が咀嚼回数による食塊混合度の変化が大きい傾向が観察された。以上より今回規定した食塊混合度を用いたVE検査の有効性が示唆された。
|