2008 Fiscal Year Annual Research Report
触覚閾値、疼痛閾値、および脳幹反射閾値に対する心理状態の及ぼす影響
Project/Area Number |
20592285
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小見山 道 Nihon University, 松戸歯学部, 講師 (60339223)
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Keywords | 脳幹反射 / 筋電図 / 触覚閾値 / 疼痛閾値 / 咬筋 / 三叉神経 |
Research Abstract |
本研究は、今年度、ヒト感覚閾値と運動機能(筋反射)の関連を検討し、さらに心理学的データと比較検討し、筋の反射という運動機能に関して、心理学的要因によってこれらが変化する可能性について検討した。まずは咬筋抑制反射の被験者の民族差による反応の相違を検討するため、日本国とベルギー国の被験者間で、反射の様相を比較検討した。その結果、日本人では、咬筋抑制反射は、発現させることがやや困難な傾向を示した。次いでその実験条件を用いて、心理学的な影響を検討した。その結果、実験器材の装着により被験者は初回の実験ではかなりの不安を感じており、この不安状態が、咬筋抑制反射の発現に影響を与えていることが明らかとなった。さらに咬筋抑制反射には、潜時15マイクロ秒あたりにの一次反射と、潜時30マイクロ秒あたりの二次反射があるが、両者を安定して発現させるためには、高強度の電気刺激が必要であり、その際に極度の疼痛を伴うことが判明した。したがって、経皮下での電気刺激では、患者に対して、同様の実験は困難であるとの結論に達した。しかしながら、文献検索0の結果、経頭蓋磁気刺激装置が無痛での咬筋抑制反射発現に有効であることが判明した。これまでも、この経頭蓋磁気刺激装置を、咬筋抑制反射の発現に応用した研究が行われているが、いずれの研究でも、刺激に伴う疼痛は、経皮的電気刺激に比較して弱いことが報告されている。今年度は、この経頭蓋磁気刺激装置を購入し、予備実験をおこなっているが、これまでの実験結果は良好であり、磁気刺激は、経皮的電気刺激に対して、疼痛の少ない刺激強度で、咬筋抑制反射を発現させることに成功しており、来年度早々にもその結果を学会発表する予定である。
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