2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨親和性ナノテクチャーインプラントの開発とその骨形成の遺伝子ネットワークの解析
Project/Area Number |
20592289
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐藤 吉則 Nihon University, 歯学部, 教授 (70060051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲毛 稔彦 日本大学, 歯学部, 准教授 (90096769)
桑田 文幸 日本大学, 歯学部, 教授 (60120440)
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Keywords | 歯学 / ナノ材料 / シグナル伝達 / 骨誘導 / チタン / インプラント |
Research Abstract |
チタンと骨芽細胞の親和性を高めるために、チタン表面にレーザー照射を行った。レーザーはチタンサファイヤ再生増幅器からの高強度フェムト秒光パルス、中心波長200〜800nm、パルス幅50fs、パルスエネルギー200μJ、繰り返し周波数1khzで、直径5mm・厚さ1mmチタン表面に照射した。チタン表面に深い溝によって囲まれた直径約2〜20μmの半球状のミクロンサイズの隆起を多数形成すると共に、溝および半球状隆起の表面全体に、平均250nmのナノサイズの微細球状突起と微細嵌凹から成る表面構造がみられた。チタン表面に骨芽細胞系細胞の培養を行い、細胞数と細胞外マトリックスの発現を観察した。細胞数は、培養後1日目では9.6×10^4、培養後5日目では48×10^4で、培養後7日目では124.6×10^4であった。機械加工チタン表面における同培養では、培養後1日目では3.3×10^4、培養後5日目では3.8×10^4、培養後7日目では4.0×10^4であっな。ナノ表面加工チタンでは、機械加工チタン表面よりヒト骨芽細胞系細胞の増殖を促進することが示されている。同様に、本発明医療用ナノ表面加工チタンに培養し、コラーゲンおよびオステオカルシンを用いた蛍光免疫組織化学を行った。培養後1、5、7日目ではそれぞれ、85、68、36%がコラーゲン陽性を示し、オステオカルシン陽性細胞では同様に15、32、64%が陽性を示す。ナノ加工チタンでは培養の経過とともに、コラーゲン合成が減少し、オステオカルシン合成が増加する傾向が認められた。
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