2009 Fiscal Year Annual Research Report
極性交互反転電解法によって生成した機能性酸化皮膜と析出するナノ粒子の化学的性状
Project/Area Number |
20592298
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大川 成剛 Niigata University, 医歯学系, 助教 (80143791)
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Keywords | チタン / リン酸カルシウム / ナノ粒子 / 極性交互反転電解 / 機能性酸化皮膜 |
Research Abstract |
[研究目的]リン酸カルシウムを溶解した酸性液中で,チタンと白金板を電極とし,極性を交互に反転して電解処理すると,チタン表面に生成した酸化皮膜中にPがドープされ,リン酸カルシウムが析出することがわかった.そこでチタンの表面特性と析出するリン酸カルシウムについて検討した.[材料と方法]Al3B合金とSiウエハーをターゲットとして,鏡面研磨したCP-TiにAl,BとSiをそれぞれスパッタコーティングした.これらを試料とした.リン酸水溶液にハイドロキシアパタイト(HAp)を溶解した電解液を準備し,試料と白金板の間に研磨用バフをはさんだサンドイッチ構造の電極を用意し,この電解液中で,20VDCを10分間印加して電解処理した.この際,電極の極性を1分毎に反転させた.電解処理後,チタンの表面に析出した粉末のX線回折(XRD)をおこなった.さらに,高速フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)とX線光電子分光法(XPS)にて分析した.[結果]XPSの分析からコーティング処理した試料表面には,AlとBおよびSiの酸化物が検出された.しかも,島状に存在していた.XRDから,いずれの試料からもリン酸カルシウムの析出が認められ,HApは低結晶性であった.FTIRから,水酸基とリン酸基およびHPO_4^<2->に帰属するピークが認められた.XPSから求めたCa/P原子比は,1.2-1.5であった.XPSのデプスプロファイルから,酸化皮膜中にはAlとSiがドープされないことが分かった.Bはその結合エネルギ値がP2sのそれとほぼ同じであるため酸化皮膜中へのBのドープは不明であった.以上のことから,Al,BとSiの酸化物がチタンの酸化皮膜上に存在すると低結晶性のCa欠損型HApが析出することがわかった.
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Research Products
(2 results)