2010 Fiscal Year Annual Research Report
迅速骨結合性と上皮歯肉付着性を有するインプラント表面処理法の開発
Project/Area Number |
20592301
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中川 雅晴 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80172279)
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Keywords | チタン / インプラント / 骨結合性 / 上皮歯肉付着性 / 表面改質処理 / 歯肉上皮細胞(GE1) |
Research Abstract |
チタンは、優れた耐食性、生体適合性を有することから、歯科用インプラント材料として利用されている。しかしながら埋入初期の骨結合不良、あるいは上皮歯肉の付着不良によるインプラント周囲炎の発症は、埋入後の予後不良を招き、埋入インプラントの撤去の要因となっている。本研究では、埋入初期および長期埋入後のインプラントと骨の界面組織の観察、骨結合強度の測定、上皮歯肉の付着状態の検討を行うことによって、優れた骨伝導性、骨結合性、上皮歯肉付着性を発現するチタンインプラントの表面改質処理法を開発、および理想的な特性を有するインプラントの実用化を目的として実験を行った。インプラントの歯肉貫通部における上皮歯肉の付着性を検討するため、マウス由来の歯肉上皮細胞(GE1)を用い、培養開始から0.5、1、2、5、7時間後の初期接着および培養開始から24、48、72、96時間後の細胞増殖を調べた。塩化カルシウム水熱処理チタンは、未処理チタンと比較して、歯肉上皮細胞(GE1)の初期接着が有意に高いという結果が得られた。また細胞増殖関しては、未処理チタンの方が若干高い値を示したが、有意な差は認められなかった。歯肉上皮細胞(GE1)の初期接着が有意に高いことから、歯肉貫通部におけるインプラントと歯肉の付着性向上が期待でき、口腔内病原菌あるいは刺激物質が上皮下に侵入するおそれが減少する可能性が示唆された。
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