2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592302
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田上 直美 長崎大学, 長崎大学病院, 講師 (70231660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 廣明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (20380925)
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Keywords | 接着ブリッジ / レジンセメント / 疲労限界 / 4META-MMA/TBBレジン / 金属接着プライマー / 生存分析 |
Research Abstract |
口腔外における検証として、2実験行った。 実験1として、金銀パラジウム合金とレジンセメントの接着疲労限界を検証した。金銀パラジウム合金とレジンセメントの接着疲労限界を10,000回熱サイクル後にStair Case法にて算出した。結果、コンポジット系のレジンセメントはアクリル系レジンセメントと比較すると、せん断接着強さに対する疲労限界値の比率が顕著に低かった。コンポジット系では繰り返し荷重によりフィラー界面に微小な亀裂が生じやすいと推測された。接着ブリッジの臨床応用に際しては、アクリル系レジンセメントを使用した上で、フレームデザインも考慮する必要があると思われた。 実験2では、純チタンについて接着破断界面の分析を行った。純チタンにアルミナサンドブラスト及びアセトン洗浄を行い、リン酸エステル系モノマーで処理後、アクリル系レジンセメントでアクリル円盤と接着させ、熱サイクル5000回付与後せん断試験を行い、破断面をXPSにて分析した。分析点は破断面のうち界面剥離と判定された部で、破断面全体のおおよそ中央の位置とした。結果、アルゴンエッチング0秒(表層)、180秒、360秒後のチタンMass%は523、8.10、9.69%、リンは0.25,0.48,0.52%となった。この結果より、肉眼的界面剥離部の破壊は、機能性モノマーの金属との反応層末端(リン酸基)ではなく、中間部もしくは高分子との重合部で生じると考えられた。 口腔内における検証では、長崎大学病院において装着された2歯支台の接着ブリッジ210装置の前向きコホート研究を実施した。カプラン-マイヤー法、ログランク検定法、コックス回帰分析の結果、接着ブリッジの生存状態に最も影響を及ぼす因子は上顎か下顎かの差であり、ブリッジのタイプや金属の種類、前歯か臼歯か等の影響は有意ではないことが判明した。
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