2008 Fiscal Year Annual Research Report
フィクスチャ埋入時の引き抜き損傷予防のためのオトガイ孔内部の神経走行形態の観察
Project/Area Number |
20592305
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田松 裕一 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (80266569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 一秀 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30253892)
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Keywords | 解剖学 / 歯学 / インプラント / 顎骨 / 神経 |
Research Abstract |
下顎前歯部すなわち左右のオトガイ孔間にフィクスチャを埋入するためのドリリング時に,下顎体の中をオトガイ孔の前方に進んでいく下歯槽神経の前歯枝を巻き込んでしまい,引き抜き損傷によるオトガイ神経の断裂を起こしてオトガイ部の皮膚や小臼歯部の粘膜に知覚麻痺を生じることがある。本研究では下顎前歯部にフィクスチャを埋入する際のドリリング操作で下歯槽神経前歯枝を巻き込むことによるオトガイ神経の引き抜き損傷を防止するために,オトガイ孔内部の神経の走行形態を骨形態を保存した状態で詳細に観察・解析することを目的とする。 本年度は,解剖実習用遺体から成人の下顎骨を摘出した。実習中に既に顔面の正中矢状断と下顎枝の切断がおこなわれるので,可及的に骨の損傷の少ないものを選んだ。下顎体内面からは舌骨下筋群を,外面からは口裂周囲の表情筋を徒手的に剥離して下顎骨を取り出し,さらに歯肉,骨膜などの軟組織を除去した。その際,オトガイ孔から下唇部に伸長するオトガイ神経を実体顕微鏡で観察しながら水浸状態で剖出・明示した後,オトガイ神経を2cm程度残すようにして切断し,観察試料としてのブロック作製をおこなった。次に脱灰過程に備えてオトガイ孔を中心にブロック状の試料になるよう形態調整をおこなった。これらは,デジタル実体マイクロスコープで撮影して記録した。脱灰液の調整はプランクリクロや蟻酸等これまでに報告されているものが種々あるが,茶色に着色したままになってしまうため,クリアな透明感を得るために現在試行錯誤している状況である。
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