2010 Fiscal Year Annual Research Report
インプラント埋入直後および骨結合後の周囲骨のリモデリングに動的荷重が与える影響
Project/Area Number |
20592306
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
杉浦 勉 奈良県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60398435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (20243842)
堤 定美 日本大学, 歯学部, 教授 (00028739)
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Keywords | 歯科インプラント / 骨リモデリング / バイオメカニクス / 有限要素解析 |
Research Abstract |
歯科インプラント治療は口腔機能の回復にとって重要な位置を占め,信頼性の高い治療法となっているが,いまだに過負荷によるインプラント治療の失敗は臨床的に重要な課題となっている.インプラント周囲骨に発生する応力に骨破壊の閾値が存在することは実験的に示されているが,ルースニングの原因となる骨吸収を発生する応力・ひずみの閾値は明らかにされてはいない.さらに,近年重要性が高くなってきた即時荷重インプラントにおける骨反応を解明する必要がある。そこで本研究では,オッセオインテグレーション獲得後および埋入直後の荷重実験を行い,両者のインプラント周囲骨の反応を生体力学的に比較検討する.これまでに,イヌ脛骨にmonocorticalにチタン製インプラントを埋入し,インプラント埋入後3か月の治癒期間を設け,荷重装置を用いてインプラントの長軸に垂直方向で,かつ1方向の動的荷重を20週間加えた.マイクロCT撮影を行い,インプラント周囲骨の骨形態を観察した.インプラント周囲骨の応力値は有限要素解析を行い算出した.これまでの実験では,スクリュー頚部の皮質骨に生じるひずみが3500με以下では骨吸収および骨形成部位・面積,骨接触率で有意差は認めなかったが,7000μεでは周囲骨の吸収像が認められた.今年度は骨質がインプラント周囲骨の応力分布に及ぼす影響を有限要素解析によって調べた.その結果,海綿骨骨密度が低いモデルでは高骨密度モデルの1.6~1.9倍の応力が発生することが分かった.海綿骨骨密度が低い場合,過負荷による周囲骨の吸収のリスクは高くなることが示された.
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Research Products
(4 results)