2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592316
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
尾澤 昌悟 Aichi Gakuin University, 歯学部, 准教授 (50323720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 宗孝 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (20167539)
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Keywords | 骨補填材 / 抜歯 / 歯槽骨 / μCT / 三次元計測 / 骨形成 / ヒドロキシセルロース |
Research Abstract |
審美と機能を兼ね備えたインプラントによる修復のためには,しばしば骨造成の必要がある,いくつかの骨移植材が紹介されているが,自家骨移植が現在の標準治療である.この材料による治療の欠点は,それが高価であることである.我々は普段は捨ててしまう歯に注目し,これを使用した新しい骨移植材の開発を目指している.今回は動物実験により,雄性ラットの頭蓋骨と切歯の抜歯窩を利用して,今回の新しい材料の可能性を探った.抜歯された切歯は凍結粉砕して,基材であるヒドロキシプロピルセルロースと混ぜ,頭蓋に作った欠損と抜歯窩に注入した.治癒期間の後,標本として取り出しマイクロCTと病理組織学的に観察した.マイクロCTで得られた画像から三次元画像を構築した.抜歯窩モデルでは4週間後には骨形成が終わり,骨改造の段階に移っていたが,頭蓋欠損ではまだ新生骨により埋まっていなかった.抜歯窩では根尖部を除き成熟した骨が形成されていた.組織形態的評価では,4週間後に実験群において骨体積が対照群に比べて161%に増加した.骨塩量も30%増加がみられた.組織学的観察では,移植材による免疫拒絶反応も起こらず,根尖部に更に成熟した骨がみられた.面白いことに,基材のみでは二週後には骨形成量が減少したが,4週後には159%まで増加がみられた.一方頭蓋欠損モデルではどの材料でも欠損は埋まらなかった.今回の研究により,粉砕歯牙を利用した骨移植材はある程度の可能性を見出すことができた.この材料は安全で低コストであり,限定的な骨誘導能をもっている.
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Research Products
(4 results)