2010 Fiscal Year Annual Research Report
PLA・コラーゲン足場を用いたインプラント支持骨の開発
Project/Area Number |
20592317
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
馬場 俊輔 (財)先端医療振興財団, 再生医療研究開発部門, 主任研究員 (40275227)
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Keywords | 再生医療 / 足場 |
Research Abstract |
力学的特性を具備した開発済みである高強度の織物構造からなる生体吸収性足場のPLAと人工コラーゲンを応用することにより、咬合支持が可能となるような力学的強度を有する足場を開発することを本研究における目的として、まず、in Vitroにおいて織物構造PLAの足場としての骨再生を評価し、次に実験動物において頭蓋骨骨欠損モデルにて足場の骨再生能を評価した。その結果、織物構造PLA足場は、動物モデルにおいても移植環境の変化で差があったものの間葉系幹細胞の足場としての骨再生能が確認できた。さらに、実験的歯周病モデルを用いての歯周組織の再生能においても歯根膜と歯槽骨の再生が確認できた。一方で、人工コラーゲンの間葉系幹細胞の足場としての骨再生能を評価した結果、人工コラーゲンの動物実験の結果は、間葉系幹細胞にとっての足場としての機能だけではなく、骨補填剤としても評価可能であることがわかった。この人工コラーゲンは血小板の凝集機能があることが確認されていることから成長因子による効果が考察されるところである。このことから、PLAと人工コラーゲンは各々が足場として有用であり、さらに機能を付与させることで細胞の足場としてだけではなく、それ自体が骨再生能を有するマテリアルに置き換わる可能性が示唆された。幹細胞の実用化においては、細胞に対する機能的なスキャホールドとしてのニーズはますます高まっている一方で、このような足場が骨補填剤としての機能性が発揮できれば歯科分野のみならず整形外科分野での骨再生治療においての人工骨およびスキャホールドとしての高いニーズがあり技術移転と新規材料開発の可能性は極めて高いと考えられる。
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