2009 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨形成術における骨および神経組織変化に関する実験的研究
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20592323
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中川 清昌 Kanazawa University, 医学系, 准教授 (30155676)
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Keywords | 顎変形症 / 顎矯正手術 / 知覚神経麻痺 |
Research Abstract |
下顎骨に対する顎矯正手術のうち世界的にもっと頻用されている術式は下顎枝部で骨切りする下顎枝矢状分割術(SSRO)である。この術式はオトガイ領域の知覚神経麻痺は発生頻度が高いことと、回復までの期間が予側できないことなどの問題がある。一方では近年、顎顔面領域において骨延長法の応用が広まりつつある。しかしながら、骨延長術がSSROによる一期的な骨移動を行う時と神経組織および神経生理学的変化においてどのように異なっているのかは解明されていない。そこで動物実験により2種類の違った方法による骨切り後の骨移動が神経組織あるいは周期の軟組織、骨組織に与える影響を明らかにすることが目的である。 21年度は一期的に骨変移動を行った際には神経周囲の骨形成が十分行われるか不明であることから、十分な骨形成を可能にするためのスペースを設け周囲軟組織の侵入を防ぎ,骨形成を促進した状態と、単に、骨切り後、伸長し閉鎖縫合のみ行った群との比較を行うため以下の実験系に進んだ。 平成20年度の実験と同様の方法で、術前、術直後、2週、4週、12週、24週経過時に電気刺激による神経生理学的観察を行い、2週、4週、12週、24週経過時屠殺、標本作製した。標本数は各週ごと4羽とした。各群において形態的・X線学的・組織学的ならびに免疫組織学的に再生骨の変化および神経組織変化について精査している。 下歯槽神経そのものの組織変化のみならず、周囲の新生骨組織内への神経分枝の新生過程を観察できれば、より効果的な骨新生部位での末梢神経組織の再生のメカニズムが明らかにでき、それが生理学的に機能するためには、どのような組織変化が必要であるかも解明できると考え実験を進めている。
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Research Products
(4 results)