2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔粘膜由来線維芽細胞の特性と創傷治癒に与える影響について
Project/Area Number |
20592326
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 裕司 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (60378221)
各務 秀明 東京大学, 医科学研究所, 客員准教授 (80242866)
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Keywords | 創傷治癒 / 粘膜由来線維芽細胞 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究課題での提案は、これまで行なってきた口腔粘膜由来線維芽細胞に特徴的な遺伝子の発現と機能解析を発展させるとともに、創傷治癒に与える影響を検討するものである。これにより、良好な創傷治癒を達成するための具体的な治療法の開発を目指す。 本年度は、これまで行ってきたDNAアレイを用いた網羅的解析より、口腔粘膜由来線維芽細胞で強発現している遺伝子としてIGF-2、hydroxysteroid dehydrogenase2、グリピカン3、真皮由来線維芽細胞で強発現している遺伝子としてMMP12などがピックアップされた。さらにマイクロアレイのデータを確認するため、口腔粘膜由来線維芽細胞で最も発現強度の高いIGF-2に着目し、同一個人より採取した耳介後面皮膚および口腔粘膜由来線維芽細胞が発現するIGF-2をRT-PCRによって確認したところ、被験者4名中3名について口腔粘膜由来線維芽細胞でIGF-2が優位に発現していた。 ヒト皮膚を移植した創傷治癒モデルに関しては、免疫不全マウスに皮膚移植を行ったが、移植皮膚が生着せず、文献の結果を再現できなかった。そこで、線維芽細胞の採取部位による異なった遺伝子プロファイルを理解するために、真皮由来および口腔粘膜由来線維芽細胞の培養上清にてそれぞれ角化細胞を培養し、スクラッチアッセイを行った。培養3日後の結果では、口腔粘膜由来線維芽細胞培養上清の方が、優位に間隙を早く埋めており、口腔粘膜由来線維芽細胞培養上清中に含まれる因子が角化細胞の移動および細胞増殖を促進することを明らかにした。 以上の内容を英文雑誌に投稿、受領された(J Biosci Bioeng. 111 (3) : 255-258, 2011)。
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Research Products
(7 results)