2009 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨発達・骨格成長におけるp38MAPキナーゼの機能解析
Project/Area Number |
20592327
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相川 友直 大阪大学, 歯学部付属病院, 講師 (00362674)
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Keywords | 軟骨細胞 / 破骨細胞 / ノックアウトマウス / p38 MAP キナーゼ / トランスジェニックマウス / 関節炎 |
Research Abstract |
長管骨などの骨格は軟骨原基の発達,軟骨細胞の増殖,分化,骨化を経る内軟骨性骨化様式で発達する.そして形成された骨組織は骨芽細胞による骨形成・骨添加,破骨細胞による骨吸収を繰り返しつつ維持されていく.この軟骨発達過程や破骨細胞による骨吸収過程におけるp38MAPキナーゼの機能的役割を検討する目的で軟骨細胞特異的p38αノックアウトマウスを作成とin vitroでの破骨細胞のp38αノックアウトを行った. 軟骨細胞および破骨細胞における4つのp38MAPキナーゼ分子,p38α, β, X, δの発現を検討したところ,p38αの発現が最も優位であった.軟骨特異的ノックアウトはp38α^<flox/flox>マウスと軟骨細胞特異的にcreリコンビナーゼを発現するトランスジェニックマウス(Col2α1-cre tgあるいはCol11α2-cre tg)を交配させマウスを作成した.その結果,creリコンビナーゼ発現によるp38α遺伝子およびタンパクは部分的なノックアウトであったため,p38α^<flox/flox>マウスの一つのアレルをコンベンショナルノックアウトしたp38α^<flox/->マウスとCol11α2 creマウスを交配させ,p38α^<flox/->;creマウスを作成した.このマウスでの軟骨発達は同腹のコントロールマウスと優位さなく正常な発達をきたすことが示された。しかし,関節軟骨炎症モデル実験を行うと,p38α^<flox/->;creマウスでは関節軟骨破壊が強まる傾向がみられ,p38αが関節軟骨の維持、炎症ストレスへの抵抗性に関与することが示唆された. 破骨細胞でのp38α欠損細胞はin vitroでp38α^<flox/flox>マウス骨髄由来マクロファージ破骨細胞分化を誘導する実験系において,種々の分化段階でcreリコンビナーゼをアデノウイルスで導入しその破骨細胞分化と破骨細胞のサバイバルを検討した.その結果p38α発現をノックダウンさせても初期の破骨細胞分化に影響はなかった.一方,破骨細胞のapoptosisは抑制された.p38MAPキナーゼシグナルは破骨細胞の細胞死に関与する可能性が示唆された.
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