2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌細胞の上皮-間葉相互作用による基底膜浸潤制御
Project/Area Number |
20592328
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中原 寛和 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 招聘教員 (70324796)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 裕大 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 招聘教員 (50448148)
古郷 幹彦 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20205371)
|
Keywords | 浸潤・転移 / 口腔扁平上皮癌 / 上皮-間葉相互作用 / クロマチンコンプレックス |
Research Abstract |
我々は癌細胞による細胞外基質分解をin vitroで観察することが可能なフィブロネクチン分解・浸潤モデルを用い、転移抑制を目標に分子標的治療のターゲット分子の検討を行ってきた。その中で本研究では最近注目を集めているクロマチンリモデリングコンプレックスの一つであるreptin遺伝子に焦点を当て、reptinがヒト口腔扁平上皮癌の浸潤・転移にいかに関与しているかを検討した。 実験には浸潤様式の異なる2種のヒト口腔扁平上皮癌由来細胞株であるOSC-19細胞およびOSC-20細胞を用いた。各々の細胞のreptin遺伝子をknockdownし、control群、wild type群との細胞浸潤・遊走能を比較し、加えて、基底膜分解酵素(MMP-2、MMP-9)の活性、低分子GTP結合蛋白の発現、上皮間葉移行(EMT)関連蛋白およびEMTの転写制御因子の発現を比較した。 reptin遺伝子をknockdownすることにより、OSC-19細胞およびOSC-20細胞の浸潤能は著明に亢進した。そのメカニズムの解析において、蛋白分解酵素活性は各群で変化がなかったが、reptin遺伝子をknockdown群において細胞の遊走能の亢進が認められた。また、上皮間葉移行(Epithlial Mesenchymal Transition ; EMT)関連蛋白に関してはreptin knockdown群で上皮系マーカーの発現の低下と、間葉系マーカーの発現の亢進を認め、EMTの転写制御因子ではSnailの発現が亢進していた。reptin遺伝子はEMTに関与しながら口腔扁平上皮癌細胞の運動を制御している可能性が示唆された。
|
Research Products
(4 results)