Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 克章 山口大学, 大学院・上皮情報解析医科学, 准教授 (60304317)
平田 あずみ 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特任研究員 (40263587)
松村 達志 岡山大学病院, 口腔外科(再建系), 助教 (70432648)
森谷 徳文 岡山大学, 大学院・口腔外科(再建系), 助教 (60467751)
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Research Abstract |
TCDD(2,3,7,8-tetrachrolodibenzo dioxin)投与マウスは胎生期に一旦口蓋が癒合しても,その後解離し,口蓋裂となる。TCDD投与マウス口蓋の形態的特徴として,口蓋正中に上皮塊様の構造物を散見する。口蓋の解離に関わる因子として,組織強度の不足が考えられたため,初年度(H20年度)は,まず細胞間接着分子であるE-cadherin及び関連分子α-catenin,β-cateninの局在を調べた。その結果,TCDD投与マウスでは鼻腔粘膜上皮及び口蓋正中に存在した細胞塊部ではE-cadherin,α-cateninの局在は認めず,β-cateninのみが認められた。 H21年度は,ラミニン,type IVコラーゲン等,基底膜を構成する主な因子につき検討を行った。その結果,type IVコラーゲンはコントロール群では基底膜を含めた上皮(口腔側,鼻腔側)層に局在しているのに対し,TCDD群では上皮表層に局在しているものの,基底膜相当部では染色性が低下していた。ラミニンでは上皮内の局在には大きな変化はなく,間葉系ではむしろ染隼性が増強していた。 H22年度は口蓋骨の形成過程および軟口蓋の筋の発生過程について検討を行った。その結果,TCPD投与群では口蓋骨の形成不全が観察された。 以上より,TCDD投与マウスにおける口蓋裂の発症機序は上皮系の強度不足のみならず口蓋骨や軟口蓋の筋群の発育不全も関与している可能性が示唆された。
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