2008 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍壊死因子とアクアポリン5を分子標的としたシェーグレン症候群の新規治療法の開発
Project/Area Number |
20592337
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
茂木 勝美 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20335805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 雅之 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20144983)
玉谷 哲也 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30274236)
内田 大亮 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20335798)
藤澤 健司 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40228979)
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Keywords | アクアポリン / シェーグレン症候群 / 腫瘍壊死因子 / 唾液分泌 |
Research Abstract |
アクアポリン(AQP)は水輸送に関与する膜蛋白であり、唾液腺からの唾液分泌にAQP5が重要な役割を果たしている。シェーグレン症候群(SS)患者の唾液腺組織においてはAQP5の発現低下が報告されている。また、SS患者の唾液腺組織においては、腺房構造周囲に炎症性細胞浸潤が認められ、唾液分泌低下に炎症性細胞から産生されるTNF-αなどのサイトカインが深く関与している可能性が示唆されている。そこで本研究においては、ヒト唾液腺腺房細胞を用いてTNF-αがAQP5の発現にどのような影響を及ぼすか解析した。 腺房細胞をTNF-αにて処理すると、AQP5の発現は有意に低下した。既に我々は、AQP5の発現していない唾液腺導管細胞をDNA脱メチル化剤で処理するとAQP5が誘導されることを報告した。そこで、TNF-αによるAQP5の発現低下とDNAのメチル化による遺伝子の発現低下の関連性について解析した。DNAメチルトランスフェラーゼ1(Dnmt-1)はIL-6によって発現が誘導されることから、培養上清中のIL-6濃度をELISA法にて検索したところ、TNF-α処理によりNS-SV-ACからのIL-6の産生は著明に増強された。しかし、TNF-α単独あるいはTNF-αとIL-6中和抗体の併用処理によってDnmt-1の発現に明らかな変化は認められなかった。さらに、TNF-αによるAQP5の発現低下はIL-6中和抗体による影響を受けなかった。また、TNF-αと転写因子NF-κBの阻害剤の併用処理ではTNF-α単独処理と比較しAQP5の発現は著明に抑制されたことから、TNF-αによるAQP5の発現低下にはDNAメチル化やNF-κBを介した経路以外のメカニズムが関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)