2008 Fiscal Year Annual Research Report
病原性モノクローナル抗体を用いた天疱瘡の口腔粘膜病変発症機序の解明
Project/Area Number |
20592346
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
角田 和之 Keio University, 医学部, 助教 (60265915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 種昭 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00227745)
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Keywords | 天疱瘡 / 自己抗体 / 病原性 / 口腔病変 / デスモグレイン |
Research Abstract |
本研究期間中では、尋常性天疱瘡(PV)患者血清中における自己抗体プロフィールの解析を中心に行った。そのために必要となる抗Dsg3モノクローナル抗体(AK mAb)の大量精製と組み換えDsg蛋白の作製、精製を行った。PVモデルマウスより作製した複数のAK mAbのハイブリドーマを大量に培養し、r-protein A columnにて精製した。またELISA法の抗原蛋白として使用するrDsg3蛋白をバキュロウィルス発現系にて作製しTALON affinity columnにて精製した。これらを用いてヒトDsg3組み換え蛋白を抗原としたELISA法により、PV患者血清中の抗Dsg3自己抗体の解析を行った。AK mAbはマウス、ヒトDsg3に交差反応性を有するクローンが存在し、Dsg3細胞外領域のN末端領域を認識し病原性を有するAK mAb(AK23)、中央部(AK18)およびC末端領域(AK20)を認識し明らかな病原性を有さない抗体に分類することが可能である。これらのmAbを利用し、ヒトDsg3を抗原として用いたELISA法にて各モノクローナル抗体を1次抗体として反応させ、2次抗体として患者血清を反応させた。また陽性コントロールとしてAK mAb単独でのOD値を測定し、両者間での競合率(ブロッキング率)を算出した。その結果、活動期PV血清の約70%でAK23と競合するエピトープを認識する自己抗体を有し、AK18、AK20のエピトープを認識する自己抗体は約3割以下であることが確認された。本来ポリクローナル抗体であるPV患者血清をモノクローナルなレベルで、解析することが可能であった。
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