2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592351
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
上松 隆司 Matsumoto Dental University, 大学院・歯学独立研究科, 准教授 (40203476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 憲起 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (60350831)
高橋 美穂 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (00444795)
石塚 正英 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (60460440)
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Keywords | MDP / Nod / LPS / 歯周病 / 歯槽骨 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
Nucleotide-binding oligomerization domain(Nod)は、細胞質内に存在する病原体特異的パターン受容体で、感染細菌の細胞壁構成成分のペプチドグリカンの断片によって活性化され、転写因子のNF-κBを活性化することで炎症性サイトカインの産生を誘導する。Nodの刺激は細菌感染症において宿主の防御に重要であるとされているが、歯周病におけるNODの役割は明らかにされていない。そこで本研究では、NODシグナルがLipopolysaccharide(LPS)が誘導する破骨細胞形成を促進するか検討するとともに、NodシグナルとToll-like receptor(TLR)シグナルの相互関係、Nodシグナルの骨吸収に対する作用、破骨細胞と骨芽細胞におけるNodの作用機構について検討した。その結果、Muramyl dipeptide(MDP)は、LPSが誘導するreceptor activator of NF-κB ligand)(RANKL)の発現を増強し破骨細胞の分化を促進した。これはMDPによりNodシグナルが亢進されたと考えられる。一方、MDPは活性型ビタミンDが誘導するRANKLの発現を誘導しなかった。この結果は、MDPがTLR4に非依存的なシグナルを介して破骨細胞の形成を誘導していることを示唆している。さらに、Nod2のRNAiを骨芽細胞に対して行ったところ、Nod2 mRNAのノックダウンによってLPSによるRANKLm RNA量はMDPによる増強効果のみがされることが明らかとなった。以上の研究結果より、菌体成分のMDPは、Nod2を介して骨芽細胞におけるRNAKLの発現を増強し、LPSなどの炎症によって誘導される破骨細胞分化を促進していると考えられた。一方、破骨細胞を象牙質片上で培養すると吸収窩が形成されるシステムでMDPの破骨細胞機能を解析したところ、象牙質片の吸収を促進する傾向がみられた。本実験は定性的なためさらに検討が必要であると考えられた。
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Research Products
(3 results)