2009 Fiscal Year Annual Research Report
環境ホルモンが口唇口蓋裂発生に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
20592352
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
新美 照幸 Aichi Gakuin University, 歯学部, 講師 (60291762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏目 長門 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (90183532)
南 克浩 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70346162)
井上 誠 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (50191888)
佐々木 琢磨 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (90109976)
田中 基裕 愛知学院大学, 薬学部, 准教授 (60197481)
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Keywords | ビスフェノールA / 口唇裂 / 先天異常 / 予防 / 胸腺 |
Research Abstract |
今年度は、環境ホルモンのひとつである、4,4'-isopropylidenediphenol(bisphenol A)を用いて、マトリゲル上で培養したヒト胎盤由来の細胞、HUVEC、の管腔形成に及ぼす影響を検討した。その結果、細胞増殖阻害作用を示さない終濃度500、100、20、4μMの濃度において、bisphenol Aは管腔形成阻害作用を示さなかった。今回は、細胞と薬剤の接触時間が24時間と短く、そのため血管新生阻害作用の指標である、管腔形成阻害作用が見られなかったと考えられるため、来年度は、濃度、培養時間などの詳細な検討を行う。 一方、骨と脂肪細胞がある時点より異なった分化誘導を起こすことが知られており、ビスフェノール-Aや生薬成分としてエストロゲン活性を示すものの骨への影響を調べるために、骨および脂肪細胞分化に関与する転写因子群に及ぼす影響を検討中である。 in vivoにおいては、エストロゲン活性を見出した甘草を口唇口蓋裂自然発生モデルA/J系マウスに投与し、口唇口蓋裂の発生に影響を及ぼすか否か検討した。乾燥甘草12gを1時間煮出し、抽出液を400mlに調整し、未経産のA/J系マウスに妊娠1週前より口蓋形成期が終了する妊娠12日まで飲料水の代わりに自由摂取させた後に、妊娠18日に帝王切開にて胎仔を取り出し、実体顕微鏡下に胎仔を観察した。その結果、死亡吸収数の増加や胎仔の体重の著明な低下を伴うことなく、口唇口蓋裂発生の抑制傾向を認めた。来年度はさらに数を増やし有意性の確認を行うとともに、心血管系についても検討を加える。
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