2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における核内転写因子群Pax familyの総合的解析
Project/Area Number |
20592353
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小河原 克訓 Chiba University, 医学部附属病院, 講師 (20372360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜澤 一弘 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (30302558)
武川 寛樹 筑波大学, 医学部, 教授 (80173558)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / Pax family / マイクロアレイ解析 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
すでに本研究において、9つのFamiyからなる核内転写因子Pax遣伝子群のうちPax 5遺伝子が口腔癌細胞株と多数の臨床検体において有意な発現亢進をしていることを確認した。本年度は、このPax 5以外の遺伝子8種について、口腔癌細胞株における発現状態を解析をした。Pax 5を含む9つのPax Family遺伝子のうち、口腔癌細胞株においてmRNAの発現が亢進していたものはPax 1, Pax 2, Pax 3, Pax 5, Pax 6, Pax 7, Pax 8の7種類あり、Pax 4およびPax 9は発現減弱していた。発現レベルはPax 5が最大であり、Pax 9が最少であった。Pax 1およびPax 5は口腔癌細胞株5株全てにおいて発現亢進し、Pax 9は全ての口腔癌細胞株で発現減弱していた。今後、これら8種の遺伝子に関して、多数の臨床検体を用いた発現状態の検討を行う。さらに、Pax遺伝子群はクラスター構造をとらないホメオボックス遺伝子であり、これに対しクラスター構造をとり口腔癌と関係がありそうなホメオボックス遺伝子としてHox遺伝子群をマイクロアレイデータから特定した。Hox遺伝子は異なる染色体上に位置する4つのクラスターからなっており、約40のHox遺伝子が知られ、Pax遺伝子と同じ核内転写因子として、発生初期における形態形成や分化さらに癌化への関与が推察されるため、今後、HOX遺伝子群とPax遺伝子群との関係も検索していく予定である。
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