2010 Fiscal Year Annual Research Report
Angiogeninを介する血管内皮前駆細胞の分化誘導と腫瘍血管新生機構の解明
Project/Area Number |
20592359
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸本 晃治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40243480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 朗 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00170663)
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Keywords | Angiogenin / 血管内皮前駆細胞 / 血管新生 / 分化誘導 / 癌 |
Research Abstract |
【背景】血管内皮細胞の前段階である血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cell:EPC)の増殖や腫瘍血管内皮細胞への分化誘導機構に及ぼす血管新生蛋白angiogeninの影響や生物学的活性は未だ不明であり、癌組織という特異的な微小環境下における腫瘍血管新生へのangiogeninを介するEPCの役割は未だ明らかにされていない。【研究目的】EPCの増殖・分化誘導に及ぼすangiogeninの影響を検討し、angiogeninを介する腫瘍血管新生機構の解明を行った。【方法】HSC-2口腔扁平上皮癌細胞クラスターに対するEPCの遊走・浸潤作用におけるangiogeninの影響を検討した。また、angiogeninを抑制するsiRNAを用いてEPCの内因性angiogeninの発現を抑制し、bFGFで刺激後、細胞増殖率(細胞数のカウント)とリボソームの生合成率(nucleolar organizer regions (NOR)の銀染色を行い、そのNORのドット数にて評価)、浸潤・遊走・チューブ形成能の変化を検討した。【結果】HSC-2細胞クラスター周囲へEPCの遊走が観察され、angiogeninを添加することによりその遊走作用は増強した。そして、angiogeninの発現を抑制すると、bFGFで刺激しても細胞増殖率、リボソームの生合成率、浸潤・遊走・チューブ形成能は低下した。以上の結果から、腫瘍血管新生へEPCが関与する過程で、angiogeninは内皮細胞のみならずEPCにも作用し重要な役割を担っていることが示唆された。
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Research Products
(2 results)