2010 Fiscal Year Annual Research Report
鎮静・催眠からの回復促進効果に対するアデノシン受容体の関与
Project/Area Number |
20592379
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
櫻井 学 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50225843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 卓也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00219825)
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Keywords | アミノフィリン / アデノシン / 鎮静・催眠作用 / 回復 |
Research Abstract |
ミダゾラム(Mid)の深鎮静に対するアミノフィリン(Ami)の反復投与の効果を評価した.有志の健康成人男性34人を対象とし,4グループに分け90分間の観察を行った.グループA : Mid(0.06 mg/kg)+生食,グループB : Mid(0.06mg/kg)+Ami(5mg/kg),グループC : Mid(0.1mg/kg)+Ami(5mg/kg),グループD : Mid(0.1mg/kg)+Ami(5mg/kg+2mg/kg).Amiの投与はMid投与後30分とした.測定項目は,bispectral index(BIS),指示行動に対する反応,認識力(計算問題),精神運動機能(Triger dot test),平衡機能検査(Gravicorder balance test),呼吸・循環パラメーター,血漿テオフィリン濃度,血漿ミダゾラム濃度とした.Mid(0.06mg/kg ; BIS=60)に対し生食(Ami非投与)は効果がなく,BISはMid投与後90分に鎮静前値に回復した.しかしAmi(5mg/kg)の投与はBISを1-2分で急速に回復させた.Mid(0.1mg/kg ; BIS=40)の深鎮静に対してはAmi(5mg/kg)は不充分であったが,Ami(2mg/kg)の追加投与により,5分以内に全ての測定項目が回復した.この結果は,Amiの反復投与がMidの深鎮静から安全に効果的に回復させることを示した.Amiはさまざまな鎮静レベルに効果があり,Midに対する有効な拮抗薬であると考えられる.
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