2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノマテリアルを応用した歯科矯正用FRP審美ワイヤーの開発
Project/Area Number |
20592385
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山方 秀一 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (70292034)
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Keywords | 歯学 / 歯科矯正 / 複合材料 / ナノ材料 / モンモリロナイト / 機械的特性 / 光学的特性 / 審美 |
Research Abstract |
層状珪酸塩鉱物のうち食品や医薬品などの添加物に使用されているモンモリロナイト(MMT)に着目し、前年度までに4級アンモニウム塩により有機化したMMTとポリメチルメタクリレート(PMMA)とによるナノコンポジットの作製法としてsolution intercalation法が有効であることを明らかにした。当該研究年度においては、同法による複合化プロセスのプロトコールの確立に加え、ナノコンポジットの光学的特性の評価ならびに機械的特性におよぼすMMT含有率の効果に関する評価を行った。 TEM像によるPMMA/MMTナノコンポジットの構造解析から、シリケート層は底面間距離が2~6nmに広がった状態で分散し、一部ではPMMAの分子鎖が入り込んだ層間挿入型ナノコンポジットの様相を呈することが確認された。誘電率の高い極性溶剤(アセトン)を用いたことによりMMT添加による溶液の増粘が低減し、良好なMMTの分散およびインターカレーションを得ることが可能となったが、カップリング処理を施していないMMTを用いたため、端面-端面間の水素結合や結晶層面-端面間の静電気的結合に起因して微分散性が不十分になることも明らかとなった。 目視によるMMTの分散性は含有率によらず良好であった。また、MMT含有率0-10wt%の範囲における光学的特性値について、全光線透過率は100%から81.6%へと漸減し、ヘーズは0-4wt%の範囲で1.3%から75.9%へと急増したが4-10wt%の範囲で75.9%から88.0%への漸増に止まったことから、高いMMT含有率のナノコンポジットにおいても良好な透明性を確保できることが確認された。 PMMA/MMTナノコンポジットの弾性率は、MMT含有率0-6~8wt%の範囲では含有率の増加に比例して向上するが、6~8wt%付近からプラトーに移行することが確認された。
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Research Products
(1 results)