2010 Fiscal Year Annual Research Report
PTHシグナルを利用した骨新生技術開発と顎裂部骨欠損に対する歯科矯正学的応用
Project/Area Number |
20592387
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須佐美 隆史 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80179184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10396715)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10361495)
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Keywords | 顎裂部骨移植 / 副甲状腺ホルモン / 歯科矯正学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、歯の矯正移動が可能な「顎裂部で機能しうる新生骨」を形成するために副甲状腺ホルモン(PTH)を利用して効率的な骨形成を図るとともに、その分子細胞生物学的作用メカニズムを解明し、最終的には、それを利用して作製した新生骨に対する矯正学的評価を行うことである。PTHはPTH受容体に結合し、その下流のG蛋白を活性化することによって細胞内にシグナルを伝えることが知られているので、今年度はPTHの生体内における骨形成促進作用メカニズムを明らかとするために、G蛋白に関する遺伝子操作マウスを用いた解析を行った。Gnαq遺伝子を骨特異的に過剰発現させたマウスの解析で、同マウスは同胞野生型マウス(WT)と比較して骨量が減少しており、PTH刺激には反応しないことが明らかとなった。また、骨特異的にGnαqおよびGnα11の両方を欠損させたマウス(cDKO)の解析で、cDKOは生理的条件下ではWTと骨量の差が無いものの、PTH刺激に対してはWTよりも骨量が増加することが判明した。さらに骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞においてGαqシグナルインヒビターであるregulator of G protein signahng-2を過剰発現すると、骨芽細胞分化が促進された。以上の事実からGαqシグナルは生体内におけるPTHの作用を抑制することが明らかとなり、Gαqシグナルの抑制によって顎裂部で機能しうる新生骨が作製可能であることが示唆された。(618字)
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Research Products
(4 results)