2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592388
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
馬場 祥行 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70251535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (90187732)
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Keywords | 骨延長法 / 上顎骨 / 牽引力 / 張力センサ / 創外型延長装置 / REDシステム |
Research Abstract |
近年、顎顔面領域における著しい劣成長に対して、骨延長法が適用されている。本研究においては、延長器を頭蓋に固定する創外型延長装置であるRED systemに超小型張力センサを組み込むことにより、上顎を前方に牽引する際の牽引力、すなわち上顎骨にかかる力の大きさを、経時的および経日的に計測し、RED systemによる上顎骨延長術のモニタリングを行い、延長法の至適化を図ることを目的とした。 本研究では、センサ(SSK社製、LT6-5)の長径を市販の40mmから23mmまで縮小するよう設計し、口腔に近接して使用するためのセンサ及び接続コードの耐水性と補強に関して確認した。RED systemのスピンドルユニット(牽引用スクリューにより装置を活性化する部分)にセンサの一端を連結し、スクリューの活性化によりセンサに張力がかかるよう設定した。センサはさらに牽引ワイヤーをとおして延長スプリントに連結するので、ワイヤーの張力はすなわち上顎を前方に牽引する力である。毎日のアクチベートに際して、センサからインタフェイスを介しパーソナルコンピュータに接続し、センサの計測値を出力表示するとともに保存した。 臨床例を蓄積することにより、1,牽引力が経日的に増加すること、2.個々の症例において計測される牽引力は、装置の活性化期間におけるアクチベート量の合計と正の相関を示すこと、3.延長のアクチベート量の合計が大きな症例ほど、骨延長期間を通しての最大張力が大きい傾向を示すこと、4.症例中で計測された両側牽引力合計の最大は54N(ニュートン)であること、5.延長効率の高い症例においてアクチベートに伴う牽引力の上昇が緩やかであること、等を明らかにした。
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