2010 Fiscal Year Annual Research Report
老化にともなうEPH/ephrinシグナルの骨リモデリング機構変化の解明
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20592389
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小池 真理子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (50376779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 芳郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20292980)
金香 佐和 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80372449)
細道 純 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00420258)
渡 一平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (10431941)
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Keywords | 老化 / 骨リモデルング / bFGF |
Research Abstract |
今後さらなる高齢化社会を迎えるにあたり、健康的な生活を送るために歯科矯正治療の果たす役割は大きくなっている。高齢者における歯科矯正治療の矯正力に対する生物学的応答が子供とは異なることが臨床的に認められている。しかし、これまで老化による歯周組織の退行性変化の詳細な検討は未だ不十分である。歯科矯正分野では歯に矯正力を付与することによりその歯根周囲の歯根膜に、圧迫側、牽引側が生じ、骨芽細胞、彼骨細胞による歯槽骨の骨形成、骨吸収という骨の新鮮化を伴いながら歯の移動を起こしている。 そこで、矯正分野で重要な骨の代謝メカニズムにおける老化の影響を明らかにすることを目的に6、12、18ヶ月の加齢ラットを用い細胞の増殖や、分裂、アポトーシスを調整し、歯周組織のremodelingに影響を与える線維芽細胞増殖因子(bFGF)にどのような変化が起こるか組織学的に検討し、成果を上げた。bFGFは歯根膜において破骨細胞の活動を増強し、I型コラーゲンの産生を減少させ、アルカリフォスファターゼ活性を抑制する。遠心根近心側中央部歯根膜におけるbFGFの産生は加齢に伴い、低下し、根尖部において変化がなく、歯根の部位によりその発現パターンが異なることを明らかにした,加齢によるbFGFの産生の低下は、歯根膜の再生を遅延させることに関連していることが示唆され、高齢者における矯正治療に影響を与えることが考えられ、今年度はこれらを論文投稿し成果を上げた。
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