2008 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病細菌感染によるマクロファージ泡沫化と血管傷害機構
Project/Area Number |
20592398
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡橋 暢夫 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 准教授 (40150180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 隆 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80116003)
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Keywords | 歯周病 / 口腔細菌 / マクロファージ / 泡沫細胞 / A. actinomycetemcomitans |
Research Abstract |
本年度は,まず、マクロファージの泡沫化に及ぼす歯周病細菌感染の効果を検討した。マウスマクロファージ細胞株J774.1に歯周病細菌A.actinomycetemcomitans(A.a.)加熱死菌体あるいは同菌LPSを添加し、変性LDLを加えて培養したところ、50-60%の細胞においてオイルレッドで染色される油脂滴を細胞内に認め、泡沫化が促進されることが明らかになった。同様に、ヒト単球細胞株THP-1でも、マクロファージに分化させた後、A.a.菌体あるいはLPSを添加すると、泡沫化の促進が認められた。ただし、THP-1細胞の場合はFCSに含まれる脂肪成分が非特異的に取り込まれるらしく、LDL非添加対照培養でも約20%の細胞にオイルレッド陽性油脂滴が検出された。 近年新しく発見されたサイトカインIL-32は様々な炎症応答に関与していることが報告されている。そこで、THP-1細胞に歯周病細菌A.a.加熱死菌体あるいはLPSを添加しIL-32の発現が促進されるかどうかを調べた。その結果、全菌体で刺激した場合はIL-32のmRNAレベルが数10倍、LPSで刺激した場合も5-6倍に上昇することが明らかになった。歯周病細菌P.pingivalis生菌を感染させた場合も、同様にIL-32の発現が促進された。次年度は、歯周病細菌感染によるマクロファージの炎症応答と泡沫化の関連をさらに追求すると共に、他の口腔細菌についても調べる必要があると考えている。
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