2010 Fiscal Year Annual Research Report
口腔バイオフィルムにおけるミュータンスレンサ球菌のシグナル伝達システムの解析
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20592399
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
仲野 道代 (松本 道代) 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (30359848)
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| Keywords | バイオフィルム / Streptococcus mutans / クオラムセンシング / 調節遺伝子 / グルコシルトランスフェラーゼ / シグナル伝達システム |
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| Research Abstract |
口腔内のバイオフィルムは細胞間のシグナル伝達システムであるクオラムセンシングと呼ばれるシステムのもとで形成される。Streptococcus mutansのクオラムセンシングでは主として2成分調節因子システムの存在が知られており、機能する遺伝子としてcom遺伝子が報告されているが、これらの調節遺伝子はさらに複数存在し、2成分調節因子システムとは別のシグナル伝達システムが存在すると考えられている。S.mutansにおける最も重要な病原因子の1つとしてグルカン合成酵素(Glucosyltransferase : GTF)が挙げられ、その発現はシグナル伝達システムにより調節されていると考えられている。リコンビナーゼA(RecA)をコードするrecA遺伝子は、低pH下において発現が上昇することや、recA遺伝子欠失株においては、低pH下では増殖速度が遅延するで、耐酸性に重要な働きをすることから、シグナル伝達システムに関与する遺伝子の1つであることを示した。また、recA遺伝子欠失変異株においては、親株と比較してGTFをコードするgtf遺伝子の発現が低下していることや、過剰発現することにより、GTFのリコンビネーションを引き起こし、GTFの活性を低下させることを明らかとした。以上のことから、recA遺伝子の発現は、S.mutansの主要な病原因子であるgtf遺伝子の発現に大きく関与しており、口腔内におけるバイオフィルム形成において重要な役割を果たしていることが明らかとなった。今後はrecA遺伝子を中心としたシグナル伝達システムの解明を行いたいと考えている。
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