2008 Fiscal Year Annual Research Report
CO2レーザーを用いた矯正学的歯の移動時における疼痛軽減メカニズムの解析
Project/Area Number |
20592401
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
出口 徹 Tohoku University, 病院, 講師 (30346457)
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Keywords | 歯の移動 / 神経ペプチド / レーザー / 三次元形態計測 / 骨細胞 |
Research Abstract |
我々は、矯正臨床において、CO_2レーザーを用いた歯の移動時における疼痛軽減の効果を報告した(Angle Orthgd. 2008)。しかし、歯の移動時におけるCO_2レーザーの疼痛軽減の機序は全く解明されていないことから、去年ラットをモデルとして、実験的歯の移動時におけるCO_2レーザーの疼痛軽減の効果を中枢側(中脳路核)および末梢(歯髄、歯根膜)において検証を行った。その結果、歯の移動後、中脳路核の尾側亜核において、著しく増加した痛みのマーカーの一つとされるc-fos蛋白の発現の減少がCO_2レーザー照射によって認められた。さらに、CO_2レーザー照射の末梢組織における侵害性を検証するため、歯髄および歯根膜における神経ペプチド(カルシトニン遺伝子関連ペプチド ; CGRP)の発現を検証した結果、CO_2レーザー照射による歯の移動時のCGRPの発現に変化を認めなかった。 以上の結果より、CO_2レーザー照射は、中枢に発現するc-fos蛋白の発現を抑制することにより、歯の移動時に認める痛みを軽減する可能性が示唆された。さらに、CO_2レーザー照射による末梢組織の損傷等は認められないことが推測され、為害作用は少ないと思われる。よって、今回検証を行ったCO_2レーザーは矯正学的歯の移動時の痛み軽減に有効であることが示唆された。現在これらの研究から得られた成果を、論文としてまとめ、現在、国際誌に投稿中である。 本年度は中脳路核および三叉神経節において、様々な神経ペプチドとc-fosとの共存関係を調べ、画像解析ソフト(Win-Roof)を用いて、これらのmRNAを有するニューロンの細胞体の大きさや、染色濃度、量的変化を分析する。さらに、培養した骨芽細胞様間葉系細胞にCO_2レーザーを照射し、リアルタイムRT-PCRを用いて細胞レベルでのレーザー照射による影響を対照群と比較検討する。
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[Presentation] 側貌骨格形態と顎運動機能の関連性について2008
Author(s)
Kataoka T, Hashimoto T, Deguchi T, Shiraga N, Imai M, Minato M, Takano-Yamamoto T, Yamashiro T
Organizer
第67回日本矯正歯科学会大会
Place of Presentation
千葉
Year and Date
20080916-18
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