2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20592405
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
釜崎 陽子 Nagasaki University, 大学院・医歯薬総合研究科, 助教 (30253678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 康成 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70332848)
西口 美由季 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10253676)
日高 聖 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10389421)
星野 倫範 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00359960)
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Keywords | 糖脂質GM3 / 神経栄養因子NT-4 / Trk-B / p-75 / 細胞内シグナリング / MAPK |
Research Abstract |
歯原性上皮細胞株HAT-7におけるNT-4,短縮型のスプライアントを含めたTrkBおよびp75の発現について,RT-PCR法により確認を行った。その結果,NT-4, p75,全長型TrkB、短縮型TrkB-T1およびT2の発現が確認された。糖脂質GM3およびLacCerを添加することによるNT-4の発現動態には,変化が認められなかった。このことから,糖脂質添加が,NT-4刺激に対するMAPKのリン酸化を増強させた機構は,受容体側の変化にあることが考えられた。また一方で,歯胚発生初期におけるNT-4の機能として,間葉部分への相互作用について検討する必要があると考えられた。糖脂質およびNT-4の添加によっては,p75の発現動態の上昇、NT-4の添加による全長型TrkB、短縮型TrkB-T1およびT2の発現増加を観察した。糖脂質またはNT-4の添加によって分化マーカーの発現動態を動かした機構は,受容体側の変化に起因することが推測された。 歯原性上皮細胞株HAT-7における、チロシンキナーゼの細胞内ドメインに影響しない細胞内シグナリングの開始について、ウェスタンブロッティング法によるMAPKのリン酸化について解析を行った。チロシンキナーゼインヒビターk252aによる全長型TrkBのシグナル伝達経路の遮断を行った場合,MAPKのリン酸化の抑制が観察された。よって、HAT-7におけるNT-4による細胞内シグナリングの開始にはチロシンキナーゼの細胞内ドメインの関与は不可欠であると考えられた。また,p75の抗原決定基に結合するMC192によりp75レセプターとTrkBとの相互作用を阻害した場合もMAPKのリン酸化の抑制が観察され、抑制の程度は、k252aによる変化の方が顕著であった。
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