Research Abstract |
MyD88(-/-),MyD88(+/+)およびMyD88(+/-)C57B/6新生仔マウスを屠殺後,採取した頭蓋骨をコラゲナーゼ処理し,1~2週間培養した.さらに1週間分化誘導させた後,骨芽細胞に機械的刺激(10g/cm^2, 20min)を負荷し,ケモカイン(MIP-2, RANTES, MCP-1, MIP-α, 1βMIP-1β)の発現をリアルタイムPCRで定量した.MyD88(+/+)とMyD88(+/-)からの骨芽細胞では,機械的刺激後にMIP-2とMCP-1およびRANTESのmRNAが増加した。MyD88(-/-)からの骨芽細胞では,MIP-2の発現量は微量で,機械的刺激による発現の増加も認められなかった。また,MCP-1は,MyD88(-/-)からの骨芽細胞の機械的刺激によって発現の増加は認められたが,MyD88(+/+)とMyD88(+/-)からの骨芽細胞の機械的刺激による発現増加と比較すると,増加率は小さかった。RANTESは,MyD88(-/-)からの骨芽細胞において,MyD88(+/+)とMyD88(+/-)からの骨芽細胞と同様に,機械的刺激によってmRNA発現量が増加したが,いずれの細胞においても機械的刺激によるRANTESのmRNA発現量の増加量は小さかった.MIP-1αとMIP-1βにおいては,どの細胞においても発現が低く,測定限界以下であった。これらの結果から,MyD88はMCP-1,特にMIP-2の発現に強く関与している可能性が示唆される。現在,機械的刺激によるMIP-2とMCP-1の発現に,MyD88が与える細胞シグナル伝達機構を解明するために,westernblot法による解析を行っている.
|