2008 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠中の口腔内環境 -pHモニタリングとQLFによるエナメル質脱灰の評価ー
Project/Area Number |
20592412
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
渡部 茂 Meikai University, 歯学部, 教授 (60113049)
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Keywords | 口腔内環境 / 唾液 / pH / 睡眠 / 安静時 / 刺激時 / 唾液クリアランス / 耳下腺唾液開口部 |
Research Abstract |
1.口腔内各部位におけるpHの連続モニタリング:覚醒時、口腔内の異なった部位(上顎前歯部唇側面、上顎臼歯部頬側面)にpHセンサーを設置し、安静時およびオレンジジュース刺激時におけるpHを連続モニターした。その結果、安静時の時点で両部位には差が認められ、上顎前歯部唇面のほうが常に低い値を示した。刺激時では刺激後の回復時間が明らかに上顎前歯部唇側面のほうが遅延した。 2.無線小型pHセンサモジュールの開発:ISFETpHセンサーの特性を測定し、回路設計用シュミレーション特性モデルを作成した。そしてISFETを用いた無線pHモジュール回路を設計試作し、無線pHセンサー動作を確認した。現在、受信回路の簡易化を計り、ビーカー内溶液のpHを無線で測定できる段階であり、2009年度の実験は無線pH計を用いて研究する予定である。 3。耳下腺唾液の上顎第一大臼歯に対する唾液クリアランスの影響:上顎第一大臼歯萌出期における耳下腺管開口部の位置を特定し.萌出期の上顎第一大臼歯に対する唾液クリアランスの様相を明らかにした。その結果、永久歯列の耳下腺管開口部の位置は近遠心的には第一大臼歯遠心面より約0.3mm近心に、咬合面より約7mm上方に位置していた。(2)開口部の位置が±1SD以内の8名についてクリアランス値を測定した結果、安静時では第一大臼歯が最も短く、次に第二小臼歯、第二大臼歯の順であった。刺激時では第一大臼歯が最も短く、第二小臼歯と第二大臼歯には有意な差はみられなかった。(3)IIC期の耳下腺管開口部の位置はX軸で左側が-2.4±3.1mm、右側が-2.5±3.5mm、Y軸では左右とも約5mm咬合面より上方に位置していた。第一大臼歯より近心に開口部が位置しているIIC期においては、第一大臼歯は耳下腺唾液クリアランスの影響をほとんど受けていないことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)