2010 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠中の口腔内環境 -pHモニタリングとQLFによるエナメル質脱灰の評価ー
Project/Area Number |
20592412
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
渡部 茂 明海大学, 歯学部, 教授 (60113049)
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Keywords | 口腔環境 / 唾液 / pH / 緩衝能 / 清涼飲料 / 脱灰 / 再石灰化 / QLF |
Research Abstract |
(1) 就寝中の口腔内pH変化のモニタリング 顎口腔系に異常の認められない健全歯列を有する成人を対象とした。上顎第一大臼歯頬側面(UPB)、上顎前歯部唇側面(UAB)にISFET電極(イオン感応性電解効果トランジスタ電極、堀場社製)を固定し、pH安定後(UAB : pH7.1、 UPB : pH6.7)に清涼飲料水(pH3.8)を口に含み、30秒間口腔全体に行きわたらせた後、嚥下させ就寝させた。起床するまでの約6時間、各部位のpHをモニタリングした。その結果、UPBは一旦清涼飲料水のpHまで急下降した後約4秒で安静時に戻り、その後pH7.5程度まで上昇し、約20分後に安静時に戻った。その後は徐々に下降し,起床前は6.5程度を示した。UABは清涼飲料水のpHまで下降した後、回復は遅く、起床前までに安静時pHには戻らなかった。UPBは耳下腺唾液の影響を直接受けて変化したが、UABは唾液の影響を受けなかったことが示唆された。 (2) QLF(光誘導蛍光定療法)による脱灰評価 (1) 牛歯切片に設けたウインドウを、乳酸ゲル(0.1M乳酸、pH4.5)に4日間浸漬して脱灰し、その後再石灰化液に一定期間浸漬した後、QLFとTMRで脱灰深度を比較した。QLFのΔF、TMRのΔZ(ミネラル喪失量%vol/μm)を比較した結果両者には高い相関が認められた(R=-0,7702、 p<0.001)。 (2) 牛歯切片をUAB,UPBに固定して、4日間ブラッシングを停止させて放置した後、QLFで測定した結果、両者とも脱灰の兆候は認められなかった。脱灰の程度が軽度であったため、QLFでは検索できないことが推察された。
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Research Products
(3 results)